受け口と下あごの突出は同じ?
受け口と下あごの突出は、どちらも下あごが前に出ている状態ですが、同じものを指すのでしょうか?実は、受け口と下あごの突出は原因や治療法が異なります。今回は、それぞれの見分け方、原因、治療法について詳しく解説します。「下あごが前に出ているのが気になる」と感じている方は、ぜひご覧ください。
受け口と下あごの突出は別物
受け口と下あごの突出、どちらも下あごが出ている状態ですが別物です。下あごが出ている原因は様々で、原因によって治療方法も異なってきますので、正しく見分けることが大切になります。受け口と下あごの突出はそれぞれどのような状態か、順番に見ていきましょう。
受け口とは
受け口は「反対咬合」や「下顎前突症」とも呼ばれ、下の前歯が上の前歯の前に出ている状態です。上の歯並びよりも下の歯並びの方が前に出ています。咬み合わせが悪い状態であり、このまま物を噛み続けると自分の歯を傷つけて歯がグラグラしたり、歯茎がさがったりすることがあります。また、口が閉じにくく口の中が乾きやすくなったり、サ行が発音しにくくなったりすることもあります。トラブルが起こらないように早めに対応することが望ましいでしょう。
受け口の原因
受け口は、上の歯が本来生えてくるべき場所よりも内側に生えてきたり、下の歯が本来あるべき位置よりも外側に生えてきたりすることで、上下の咬み合わせが逆転してしまう状態です。さらに、下の歯を無意識に舌で内側から押し出してしまったり、4歳を過ぎても指しゃぶりを続けたりするなど、日常的な癖が原因で受け口になることもありますので、注意が必要です。
下あごの突出とは
一方、下あごの突出は「下顎前突」とも呼ばれます。顎の長さが原因で下あごが前に出て見えるだけでなく、食べ物が咬み切れなかったり、発音が悪くなったり、といった悩みを持つ方が多いようです。そのため、精神的なストレスを感じる機会も同様に多くなると言われています。
下あごが突出する原因
歯並びだけでなく、下あごそのものの骨格が前に出ている状態です。両親のどちらか、もしくは両者の下あごが突出しているケースでは、子どもも同じ骨格になる確率が高くなります。下あごは、一般的に身長が伸びるにつれて大きくなり、上あごよりも成長が遅れる特徴があります。下あごの突出が疑われる場合は、早めに処置することおすすめします。適切な対処により、ストレスが軽減され、生活の質も向上するでしょう。
受け口と下あごの突出、
それぞれの治し方は?
受け口も下あごの突出も、成長と共に治りにくくなるため早期対処が望ましいです。それぞれの治療法は異なり、また大人と子どもでは治療方法も変わります。
受け口の治し方
受け口は歯列矯正によって治療できます。大人は基本的にワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正といった各種の矯正で歯並びを本来の場所に整えます。重度の受け口で矯正治療だけでは治しきれなければ、外科手術を選択することもあります。子どもの場合は、年齢ごとに、あごが正常に成長するための環境を整えたり、矯正治療を行ったりします。
下あごの突出の治し方
下あごの突出を改善する治療には、骨格そのものを整える必要があります。歯列矯正ではなく、外科的な手術が一般的で、特に「下顎枝矢状分割術」がよく行われます。この手術では、前に飛び出ている下あごの骨を分割し、後方に移動させることで、下あごを引っ込めることができます。
まとめ
受け口と下あごの突出は、見た目は似ているものの、それぞれの原因や治療法が違います。どちらの状態に当てはまるか、受け口は主に歯列矯正で治療できますが、下あごの突出は骨格の問題であり、外科的手術が必要になってきます。どちらも正しい診断と適切な対応が求められます。早期発見・早期治療が重要ですので。気になる症状があれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。