矯正歯科のレントゲン撮影はなにをする?
「歯並びを治すために何故レントゲン検査が必要なの?」と気になったことはありませんか?
レントゲン検査で得られる情報は数多く存在し、検査の有無によってリスクや完成度にも大きな差がうまれます。
こちらのページでは、矯正歯科で行うレントゲンの種類や用途、検査を受けない場合のリスクや安全性についてまとめました。歯科のレントゲン検査に不安を感じている方はぜひご参考ください。
矯正歯科で行うレントゲンの種類と用途について
矯正歯科では主に「パノラマレントゲン」と「セファロレントゲン」の2種類を撮影します。目に見える情報だけでは治療計画を立てることが難しく、とくに難易度の高い矯正歯科ではレントゲン検査が欠かせません。
それぞれのやり方やどのような目的で行われるのかについて以下でくわしくみていきましょう。
パノラマレントゲン
パノラマレントゲンは、お口全体を確認するための検査です。矯正歯科だけでなく一般的な歯科治療や定期検診でもときどき行われます。正面から撮影するタイプで、両手でハンドルを握りお顔を軽く固定して撮影しますが、口の中にフィルムを入れないため、痛みや不快感はありません。歯や歯槽骨、歯根膜の状態を平面的に確認でき、撮影時間は位置の設定を含めて2〜3分程度です。
セファロレントゲン
セファロレントゲンは、主に矯正歯科でのみ行われる検査で、導入している歯科医院はそう多くはありません。横から撮るタイプで、耳の穴にイヤーロッドと呼ばれる道具を軽く入れて顔の位置を固定し、撮影します。パノラマレントゲンと同じく、口の中にフィルムを入れないため、痛みや不快感はありません。顎の大きさと位置、歯の生えている角度、歯の高さや噛み合わせのズレ、頬や唇なども含めた横顔のラインを確認できます。
撮影時間はパノラマレントゲンとあまり変わらず、位置の設定を含めて2〜3分程度です。
開咬
上下顎の前歯が前方に出ていたり、高さが低いことが原因でかみ合わせにすき間がある状態を開咬といいます。奥歯で噛んでも前歯部にすき間があるため、見た目を気にする方が多く、パスタやラーメンなど麺類が食べにくいという特徴もあります。
「レントゲン検査を受けない」という選択はできる?
矯正歯科に欠かせないレントゲン検査ですが、患者様のなかには「被ばくが心配だからレントゲン検査は受けたくない」という方もいます。理想の歯並びに仕上げるには、目視から得られる情報だけでは不十分で、根っこや歯を支える歯根膜、歯槽骨の状態をかならず確認しなくてはいけません。レントゲン検査を受けずに歯列矯正を行うと、治療計画が立てられないため理想の歯並びに仕上がりにくくなり、歯や周囲の組織への負担も大きくなる恐れがあります。
矯正歯科は勘でできるものではありません。リスクを最小限に抑えるためにも、ご協力をお願いいたします。
矯正歯科で行うレントゲンの安全性
歯科治療で行うレントゲン検査の放射線量は、日常生活で自然に浴びる量よりも低く、それは矯正歯科でも変わりません。歯並びや噛み合わせの変化を見るためにレントゲン検査は定期的に受ける必要がありますが、健康に影響する回数ではありませんのでご安心ください。
治療が必要かどうかをはっきりさせるためにも、お子様の歯並びにお困りの方は一度ご相談ください。
妊娠中のレントゲン検査について
歯科で行うレントゲン検査は、鉛が入った防護エプロンを患者様に着ていただいてから撮影を行うため、健康に影響するほどの放射線量は発生せず、妊娠中であっても基本的には問題ないとされています。しかし、100%放射線を防げるものではないため、胎児への安全を第一に考えて妊娠中は避けて出産後に行うケースがほとんどです。検査が必要な場合は、その理由と安全性をしっかり事前にご説明させていただきます。
レントゲン検査の必要性を理解して納得のいく治療へ
「パノラマレントゲン」と「セファロレントゲン」の2種類を撮影して、歯や顎骨の大きさ、形、かみ合わせのズレなどを細かくチェックし、治療計画を立案します。目に見える情報はほんの一部でしかなく、レントゲン検査なしではスムーズに歯列矯正を行うことができません。適切な治療方法や期間、費用を明確にするためにも、精密検査はすべてしっかりと受けるようにしましょう。