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歯並びが悪いことと口臭は関係ありますか?

口臭

ガタガタの歯並びに口内の食べカスが蓄積

歯並びが悪いと、ブラッシングやうがいでは食べかすや歯垢のかたまりからが溜まった口内の汚れを簡単に落としきることができず、汚れがどんどん滞りやすくなります。そこに細菌が繁殖することで、顔をそむけたくなるような口臭が発現しやすくなります。

また、歯並びの悪さのせいでお口がちゃんと閉じず、口呼吸しがちになると、口内の唾液が乾ききってしまいます。しかし、唾液には実は大事な役割があるのです。唾液は口内の食べかすと細菌のかたまりが作り出した酸を中和させて、虫歯になるのを防ぐありがたい作用があります。つまり、口内が乾燥すると虫歯になりやすくなり、他人に不快な印象を与える口臭につながります

口臭の原因

歯並びが悪いことは、口内の食べカスや細菌のかたまりである歯垢を溜まりやすくして、虫歯になりやすくなるなど、口内環境を悪化させることをお話しました。では、具体的に、虫歯になるとなぜ口臭が発生するのでしょうか。

口臭の原因として、以下の3点が挙げられます。

  • 虫歯に詰まって腐敗した食べカスの臭い
  • 歯の神経の腐敗による臭い
  • 歯の根もとにたまる膿の臭い

こんなにも様々な臭いの原因を作り出すわけですから、口臭を防ぎたいと考えている方全員が口の中の汚れを放置せず、虫歯を予防しながら常に口内を清潔に保つように心がけることが重要となってきます。

毎食後に時間を置かず丁寧に歯を磨く、甘いものを食べる時間を決める、食後に時間のない時はうがいだけでもするなど、虫歯予防にできることは多くありますが、大前提として歯並びを整えるだけで、グンと健康な歯を維持しやすくなり、口臭を恐れる必要も低減されます。

歯周病へと進行する可能性

「ペットも人間も、もともと臭いがあるのが人間らしいし、口臭は病気でないから気にする必要はない」とお考えの方もおられるかもしれません。しかし、口臭が発生しやすい口内環境は歯周病になりやすい口内環境と酷似しています。つまり、放置すると知らぬ間に歯周病になっていたというケースも少なくないのです。さらに、いったん歯周病の挙動が開始されると、口臭がさらに酷くなっていきます。

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまい、やがては歯を失うことになります。歯を失うだけでなく、近年は認知症との関連など、全身に対する悪影響が複数の研究結果から明らかになっています。つまり、口臭をしっかりと問題視して、原因を探り、歯並びを整え、口内を清潔にする努力をすることは、一生自分の歯で噛める人生だけでなく、総合的な全身の健康状態に関連し、真剣に取り組むべき問題なのです。

歯並びを気にするなんて、モデルじゃないのだから…などとお考えにならずに、おいしい食事を生涯自分の歯で食べてモリモリ元気に活動したいという観点から、歯の健康に向き合ってみてはいかがでしょうか。

正しくない歯並びは全身のトラブルに発展

歯並びが悪いということは、かみ合わせも悪い可能性が高いのです。これは、先天的な理由のほかに、幼児期の指しゃぶりや口呼吸の習慣や頬杖、柔らかい食事の習慣などの後天的な理由によって引き起こされます。かみ合わせが悪いと、虫歯や口臭のリスクが上がるだけでなく、顎関節症、頭痛、肩こり、消化器への負担など、全身に悪影響が生じます。

身体は全身まるごとでバランスを保っているので、口臭には消臭うがい薬、肩こりには消炎鎮痛貼付剤、消化器には胃腸薬というように単純に考えずに根本的な原因を突き止め、真摯に改善していくことが大事なのです。特に、歯のトラブルは快楽の中でもトップとも言える「食の楽しみ」を奪いますので、口臭やネバつきなど、少しでも違和感を感じたら、お気軽に歯科医に相談して、改善の努力をしてほしいと考えています。

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