歯列矯正で不定愁訴は改善できる? 噛み合わせと体の不調の関係性について
「医学的に調べても原因は分からないけれど、体調が良くない」状態である“不定愁訴”ですが、実は噛み合わせの悪さによって引き起こされているケースがあるのはご存じでしょうか?
歯並びや噛み合わせのずれは、見た目や噛む機能だけを損なっていると思われがちです。しかし、実は全身や精神状態にも大きな影響を与えていることは、あまり知られていません。
つまり、長年悩んできた不定愁訴が、嚙み合わせの改善によって解決するかもしれないのです。
悪い噛み合わせってどんな状態?
大まかにいうと、「上下の歯が上手く噛み合っていない」のが、噛み合わせが悪い“不正咬合”と呼ばれる状態です。
具体的には、噛んだ際に上下の前歯の隙間が5mm以上開いている、歯並びのアーチがデコボコしている、下の前歯が上の前歯より表に出ているというのが該当します。
その他にも、顎の骨格のずれによってお口の開閉がしにくい、笑うと歯肉が見える“ガミースマイル”と呼ばれる状態、上下の前歯2本が中央に揃っていないなど、様々な不正咬合が存在します。
噛み合わせの悪さがもたらす身体と精神の不調
不正咬合や虫歯治療などで噛み合わせが悪くなると顎の位置がずれて、頭部や首の筋肉のバランスが崩れます。それによって傾いた頭を補正するために、肩や腰などの筋肉が歪んでしまうのが、不調の原因だとされています。
訴えられる症状としては、耳鳴り、めまい、鼻づまり、目のかすみ、無呼吸症候群、頭痛、肩こり、腰痛、痺れ、坐骨神経痛、手足の痛み等が挙げられます。また、噛み合わせの悪さによってしっかりと食べ物を噛み砕けておらず、胃や腸などの消化器に負担を掛けているケースもあるようです。それ以外にも、噛み合わせが原因でイライラするなど、自律神経に悪影響を及ぼしている可能性もあります。
これらの症状は、噛み合わせが原因であると思われにくいことから、他の診療科で不定愁訴として扱われているケースが多いようです。
自分でできる噛み合わせのチェック
■割り箸を使ったチェック方法
割り箸を横向けにして前歯で噛んで水平になっていれば正常、斜めになっている場合は噛み合わせがずれている可能性があります。また、くわえた割り箸に歯型を付けて上下の前歯の中心が合わない場合や、歯型自体が付かない部分がある時も、噛み合わせが良くないといえます。
■上下の唇を合わせたチェック方法
唇が閉じない、閉じた唇の間から歯が見えてしまう、下唇を前歯で噛んでいる、上唇が下唇に隠れる、口に何か頬張っているように見えてしまう、下唇が著しく前に出ているといった場合には、不正咬合がある状態です。
■横顔を定規でチェックする方法
鼻の先と顎を結んだ線を“Eライン(エステティックライン)”といい、上下の唇がライン上か内側にある状態が理想的な状態だとされています。Eラインは、定規のように真っ直ぐな物を鼻の先から顎にかけて当て、鏡に映すか写真を撮るかすることで調べられます。
■歯を「イ」の形にして鏡で確認する方法
上下の奥歯を噛んだ状態で口を「イ」の形にして、口の両端を指で広げます。歯列全体を見て、歯と歯の隙間が開きすぎていないか、下の歯が上の歯より前に出ている部分がないか、上下の歯の隙間から舌が見えていないかなどをチェックし、該当する場合には不正咬合があります。
噛み合わせの治療方法とは?
発育期のお子様の場合、生活習慣の改善や食育によって顎の骨やお口周りの筋肉の成長発育が促され、自然に噛み合わせが整います。永久歯が生え揃って以降は、一部分の歯だけではなく、親知らずを含めた32本全ての歯、顎、噛み合わせの状態を総合的に診た治療が必要です。
具体的な治療方法としては、矯正治療、被せ物の調整から、お口周りの筋肉トレーニング、姿勢、噛み方の改善などが挙げられます。スカイ&ガーデンデンタルオフィスでは、患者様の口腔状態や生活スタイル、経済状況など様々なポイントを考慮して、治療方法を提案しています。訳もなくイライラする、疲れやすいなどの不定愁訴にお悩みの方や、慢性的な腰痛や肩こりにお悩みの方は、噛み合わせを確認しにお越しください。