矯正治療は何回でもしていいの?
しっかりした治療方針に基づく矯正治療なら、答えは「Yes」です。矯正治療が終わった時にはきれいに並んでいた歯が、しばらく経ったら後戻りして、ガタガタになってきたというケースはふつうにあることで、しかもこれは、歯科医やご本人の落ち度によるケースはほんのわずかなのです。
矯正治療後の後戻りはすべての人に生じる
つまり、矯正後にまた歯並びが悪くなってしまうことは、程度の差はあれ、全ての方に生じます。
後戻りする理由は以下の3つです。
- 不十分なリテーナーの装着(歯科医の指示が適切でない)
- 成長による口内環境の変化(健全に成長を遂げた結果)
- 小児矯正のみで治療を終了した(第1期で治療終了となった)
最近は子どものときに矯正治療をされる患者様がかなり増えてきました。その増加に伴い、再矯正治療を希望される患者様も現在増えているのです。
同じ矯正期間でも再矯正は短く感じる
では、一度矯正を行った後の再矯正とは、どのような治療なのでしょうか。
「左右の歯に段差ができてきれいに並ばなくなった」という場合は、歯をやすりで削ってスペースを確保し、6~8ヶ月程度の部分矯正を施します。
「下の歯が上の歯より出て来た」「上の歯が下の歯より格段に突出している」「全体的な噛み合わせが悪くなった」という場合は、全体矯正治療が必要で、約2年間必要です。後戻りによって再矯正を受ける人の約70%が全体矯正治療となります。また2年間かかるのかと思うと、気が重いかもしれませんが、一度やった経験があることと、大学生や社会人の忙しい時期に行うことから、あっという間に終わるという感想を持たたれる方が多いようです。
再矯正としてインビザラインを勧める理由
このように、何度も矯正治療をすること自体はよくあることなのですが、1度目の矯正が小児期である場合が多いのに比べ、再矯正治療は就職活動を控えた大学生や成人であることが多いため、「目立たず、状況によって取り外しが可能な矯正方法」が望ましく、マウスピース矯正が支持されています。
マウスピース型矯正装置【インビザライン】を用いた治療は、倒れて傾いた歯を立て直す処置を効果的に行えます。ですから1回目の矯正治療を行った後で歯並びが乱れた場合の再矯正治療としては、マウスピース型矯正装置が第一選択になるのです。他にも、一度虫歯治療をしてセラミックや銀歯にした矯正装置が装着しにくい歯に装着しても問題ないという点もメリットと言えます。
適切な歯科医を選んでリスクゼロの再矯正を
最初に、再矯正治療は「しっかりした治療方針に基づくなら」問題ないと書きました。これは、再治療には、歯肉退縮や歯根吸収などのリスクがあり、時間と費用を抑えることよりも、短期間に歯に過度の負担をかけ過ぎないで矯正することや歯周病があれば歯肉をしっかり改善してから時間をかけて矯正することを重視してしっかり治してくれる歯科医を選ばないと、歯がきれいに並んだとしてもその後の口内状況が劣悪な状態になるどころか、歯そのものを失ってしまいます。再矯正をご検討の方は、まず歯科医と話し、検査をして現在のご自分の口内の状態を知り、治療方針や計画を聞いて判断されることをお勧めします。